あのねTime’s

今日はこんな事ありました 。。。

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未遂

 どんよりとした雲。さっきまで晴れていたのに、雨が今にも降り出しそうだ。
私は、銀行に車で向かっていた。今日中に、水道料金の振込みをしなくては。
 銀行の入口外に、淡いピンク色のカーディガンを着た若い女性行員が立っていた。そこへ、到着した銀色のバンの中から、スーツを着た男性が、黒い袋を持って降りて、彼女に素早く手渡した。大口の入金か?現金輸送か?国道沿いから丸見えのやり取りに、ちょっと危険な臭い・・ヤバイ、妄想スイッチが・・


銀色のバンと女性行員のやり取りを目にしたのは、その車と同時に駐車場に入った私だけ・・ではなかった。黒い車の助手席に乗っている男が一人いた。それにしても、いかにも怪しげな黒い車。堅気じゃねぇな・・。今のやり取りを見る為に、待っていたかのように思えてきた。見えないようにシートを倒している所なんか、ますます怪しい。
 「現金強奪」とか、「銀行強盗」なんて、言葉が頭をよぎった。助手席に座ってるって事は、連れがいるのかも。ポツポツと降り出した雨を避けるように、私は銀行に入った。連れはどこだ・・茶髪の女性、帽子を被った初老の男性、赤帽の制服に作業員、赤ちゃんをおんぶしたおばあちゃん。うーん、怪しくない。いやいや、最近は怪しくないのが怪しい時代だし。
 振り込み手続きの間、さりげなく人の動きを気にしながら、銀行出入口の確認をし、咄嗟の事態でもすぐに逃げられるように壁沿い立った。雨は勢いを増し、冷たい空気が外から入り込んでいた。何か、大変な事件が起こるかもしれない予感に、私の緊張は高まり、窓口でおつりを貰う時の指先は冷え切っていた。
 外に出ると、空に散った二酸化硫黄が、雨と共にアスファルトに滲み込んだ臭いで覆われていた。多分、予想外の雨のお陰だろう。何事も無く、黒い車は消え去っていた。今日はたまたま運が良かったのかも知れない。雨も小降りになった空を仰いだ。

 「来月からの水道料金は、口座引き落としにしよう」と心に誓い、家路を急いだ。
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