あのねTime’s

今日はこんな事ありました 。。。

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命の選択肢

「PEGってなんだ?!」
前の職場では耳にしたことも目にしたことも無かった。

 口から食べ物を摂取出来ない人の為にお腹の外側から胃に穴を開け、チューブ(PEG)を通してそこから栄養を流し込む。直接胃に栄養が入るので、延命する事が可能になる。
 PEGにはいろんな種類やサイズがあり、その準備も私の大切な仕事の一つ。お腹にチューブの入った患者さんにもたくさん会ってきた。9割以上が意思の疎通が出来ない方ばかり。高齢の方が殆どだが、事故で脳を損傷し神経不随になった若い患者さんもいる。身体障害者施設や老人ホームの入所者もPEG交換にやってくる。長くて6ヶ月で交換するものなので「お元気でしたか」と、再会する患者さんも増えてきた。ツヤツヤした元気そうな、でも会話も出来ない動けない患者さんに私は独り言のように声を掛ける。

 意識がもうろうとした患者。食べ物を口から取ることも出来ず、点滴だけでは痩せ行くばかり。家族は医師から説明を受ける。
「PEGを作りませんか?」
 90代なら老衰だ。延命・・寿命・・延命・・寿命・・
痩せ行く親を見たくない、少しでも生きていて欲しい、もし栄養が入れば少しでも元気を取り戻してくれるかも知れない。

 内視鏡を使い、ものの10分でPEGは造設できる。お腹にチューブの無かった人間にチューブが入る瞬間を毎日のように目にしている。目にした多くの人がその後どうなったかは次回の交換まで私は知ることが出来ない。
 
 家族の同意があるものの、果たしてPEGを作ってあの患者は幸せだったろうか。と、思うことがある。もう充分に生きたのだからお腹に穴を開け、チューブなんか入れて欲しくなかったかも、とか。本人の意思がないのだから選択は家族にゆだねられるしかない。

 PEG造設は楽ではない。痛みを伴う。患者さんの恨みに満ちた瞳や(そう見えてしまう)涙が辛い。患者の顔を拭きながら、ごめんね、ごめんね、と心の中でつぶやいている私がいる。
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コメント

一番大切なことは単に生きることそのことではなくて、善く生きることである。プラトン『ソクラテスの弁明・クリトン』そんなこと解っているんじゃ、凡夫が受けなければならない四苦「生・老・病・死」否応なく、苦は公平に課せられます「愛別離・怨憎会おんぞうえ・求不得ぐふとく・五陰盛ごおんじょう」あわせて四苦八苦といいます。係わる仕事に価値を感じるネ~ン。禿げんでくだせエ、頑張らないでくだせエ。

今のところ内視鏡室でお亡くなりになった方はいませんが、危ない時もありました。
「死」と直面しないだけ、私は普通でいられるのではないのかと思います。毎日亡くなった人を送り出す医師や看護師は感覚が麻痺している部分があります。普通の精神でいたらやれない仕事なので。コメディカルでよかったと、思う瞬間が多々あります。ある意味ズルイ。でも私にはこれ以上は無理。

  • 2006/10/26(木) 23:50:35 |
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  • ちせ #-
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